「あれ・・・七原?」









ひとでなしの恋








「三村?部活終わった?」

「あぁ。お前は?こんな時間まで何してたわけ?」

「コレ」



そういって見せられた1枚のプリント。

あぁ、そういえば数学の時間教師に呼び出されてたっけ?



「なるほどね〜。数学?」

「そう。ちょっと寝てただけなのになぁ・・」

「七原クンの数学の成績じゃ起きてても変わんないもんな。」

「なんだよ、ソレ〜!!」



ふと、七原の手に握られたプリントを見る。

簡単な数式の問題らしい。

が、そこに書かれた解答にはどうも間違えが多い。


「七原、問1と3と4間違ってる。」

「え、嘘!!」

「ホント。あと、問5もちょっと違うぜ?」

「せっかく頑張ったのに〜・・」

「教えてやろうか?」

「ホント?」

「いつまでたっても帰れないだろ、これじゃ。」

「サンキュー、三村。さすがサードマン!!」



数学なんてものはパズルと一緒で筋道立てて考えれば何も難しいことはない、と思う。

もともと頭が理系の作りだからいえることだろうけど。


真剣にプリントに取り組む七原を眺めながらそんなことをふと思った。


それにしても、七原って睫なげーよなぁ・・。



「三村、これであってる?」

「ん、あぁ?」



突然声をかけられてびっくりした。



「おー、正解正解。あ、これで全部終わりか?」

「やったー。職員室持っていってくるからちょっと待ってて。」



七原はプリントを手に、廊下へ消えていった。












静まり返っていた廊下から、バタバタと足音が聞こえる。

七原だな。



「ただいまー。」

「お帰り、ハニー。」

「誰がハニーだよ、誰が。」



顔を見合わせて、声をあげて笑った。



「そうだ、三村。お礼するよ、何が良い?」

「お礼?してくれんの?」

「何でもいいよ?」

「じゃぁ・・・」



きょとんとした顔の七原の唇を奪ってやった。

軽く、本当に軽く、唇を合わせるだけのキス。



「み、み、み・・・・・っ!!?」

「ご馳走様。俺は安くないぜ?」

「三村〜!!!」









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