思えばあのときから、俺たちは始まったんだ


















スタートライン



















「秋也ぁ、何組?」

「B組。お前は?」

「俺も一緒。また同じクラスだな。」

「今年もよろしく、ノブ。」



春、掲示された名前の羅列から、自分の名前を探し出す。

今年もまた、ノブと同じクラスのようだ。



「見てよ、ザ・サードマンがいる。」



ノブに言われ、視線を再び羅列に戻すと、確かに三村信史とあった。

ザ・サードマンこと三村信史は有名人で、本人とは全く関係のないところでよく引き合いに出された。

色々と噂の多い男だけど、少し興味もあったし、正直同じクラスになれたことは嬉しい。



「それにしても、クセのある奴が多いな。」

「そうだね。有名人が多いな。」

「なんか楽しそうだな。」














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 「豊、今年は同じクラスだな。」

「ホント、信史?信史と同じクラスとか、久しぶりだね。」

「ホントだな。よろしく、豊。」

「こちらこそ。あ、見て見て。ワイルドセブンも同じクラスだ。」



今年もまた豊と同じクラスのようだ。

そして、どうやらB組には、ワイルドセブンもいるらしい。

ワイルドセブンこと七原秋也と俺は周りからライバルに仕立て上げられている。

しかし、まだ面識はなく、七原がどんな奴なのかいまだに知らない。

少し興味はあったから、ちょっとだけ七原と同じクラスだったことが嬉しかった。














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「あ、ノブさんだ。」

「豊じゃん。同じクラスだな。」

「本当?よろしくね。えっと、そっちの彼は?」

「あ、同じ施設で暮らしてる七原秋也。知らない?」



ノブが友達を見つけたらしい。

そっちも男2人連れだった。



「シンジシンジシンジ!!!」

「なんだよ、豊。」

「彼がワイルドセブンだってさ。」

「ワイルドセブン?」



ノブの友達の隣にいた、端正な顔立ちで、少し派手な男がこっちを見た。



「あんたが七原秋也?なんか意外だな・・・」

「あっ・・・しんじってもしかして、三村信史?」

「よろしく、ワイルドセブン。」

「こちらこそ。」

「しかし、ワイルドセブンなんて名前のわりに随分と可愛らしい顔してんだな。女と間違えられたりしねぇ?」

「うるさいよ。」



容姿のことに触れられるのは、あまり好きではなかった。

特に、かわいいだとか女みたいだとか、そういう類は、大嫌いだ。



「そう拗ねるなって。”かわいい”って褒め言葉だろ?」

「全然嬉しくないんだけど・・・」

「可愛いのはいいことだろ?別に悪口言ってるわけじゃないんだし・・・」

「少なくとも、俺は可愛いって言われるのは嫌だ。訂正しろ。」

「やだね。間違ってることしてると思わねーし。」

「俺はやだって言ってんだろ!!分からず屋!!!」

「わからないのはそっちだろ。俺はただ可愛いって褒めただけじゃん。」

「でも俺は嫌だって・・・」



「はい、ストップ。秋也も三村も熱くなりすぎ。妥協しろよ、2人とも。」

「信史にしては珍しいんじゃない?こんなにムキになるのも。」



ノブとその友達が仲裁に入った。

普段の自分なら、こんなことでムキになって反論なんてしない気がした。


いったいどうしたっていうんだ。



「2人ともよっぽど相性がいいんじゃない?」

「うんうん、俺もそう思うよノブさん。」



不満は残るものの、互いにこの場では一端引くことにした。


同じクラスになったんだし、これから時間はたっぷりあるんだ。

ゆっくりと時間をかけて知り合っていけばいい。




ホント言うと、俺も三村とはうまくやっていけそうな気がするんだ。



















そんな、出会い