「七原ーっ、今日の帰りうちよってかない?」
「なんで?」
「今日祭りじゃん?母さんが連れて来いって煩くてさ。」
「じゃぁ、お邪魔しよっかな・・・。」
「よっしゃ、決まりな♪」
手を繋ぐ
「お邪魔しまーす。」
「あら、七原君いらっしゃい。早くこっちにいらっしゃい。」
「え、三村?」
「いってらっしゃーい。」
母さんはえらく七原がお気に入りらしく、今日も浴衣を着せてやると言い出した。
七原の浴衣姿が見れるので、俺としても嬉しいので今回は母にのることにしたのだ。
「信史ぃー、あなたもはやく着替えちゃいなさいよー。」
「・・・・はいはい。」
自分で着付けをして、七原が出来上がるのを暫し待つことにした。
「さ、できた。やっぱり可愛いわねぇ、七原君。」
「み、三村・・・・?俺、変じゃない?」
「・・・・・・・・」
我が親ながら、天晴れ母さん。
なんと七原は女の子そのものだった。
黒地の浴衣を身に纏い、髪を上へ結い上げている。
「三村?」
「すっげー可愛い。」
「でしょ?七原君は色が白いから鮮やかな色が映えるわよね。さ、いってらっしゃい。」
「「行ってきまーす」」
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「なぁ、三村。ホントに変じゃない?」
「どした?全然似合ってるぜ?マジ可愛いし♪」
「だってさっきからいろんな人に見られてる気が・・・・」
そうなのだ、先ほどから不特定多数の視線が邪魔をしている。
せっかく七原と2人きりだというのに、なんなんだ。
「あれ、三村じゃない。」
「千草に杉村。お熱いねぇ?」
「何言ってんのよ、自分だって女の子と一緒なくせに。」
突然の杉村と千草の出現に、七原は大いに焦っていた。
そんな姿すら可愛く見えてしまう自分は狂っているのだろうか?
「うちの学校の子じゃないわよね・・?可愛い子ね、アンタには勿体無いわよ。」
「だってさ、七原クン?」
「みむっ・・・・!!!」
俯いていた七原が驚いたように顔をあげた。
千草も七原と同じくらい呆けた顔をしている。
「七原ぁ?ホントに?」
「そーよ?可愛いデショ?」
「三村ーっ!!!」
「七原・・・他の女子にそれ見せたら恨まれるわよ?」
「千草・・・?」
「さて。行くわよ、弘樹。」
「あ、あぁ・・・」
少しばかり名残押しそうな杉村を強引に引きつれ、2人は人ごみの中へ消えていった。
「俺らもいこーぜ?」
できるだけ自然に、七原の手をとる。
ただそれだけの行為なのに、何故か心臓が破裂しそうになる。
それ以上のことなんてとっくの昔に経験済みなのに、これくらいのことで胸をときめかせている。
「三村、手・・・・・」
「大丈夫だって。今の俺らはどう見たって彼氏彼女だし?」
「・・っでも・・・」
戸惑う七原をにどうかこの鼓動が届きませんように。
手を繋ぐだけでこんなにドキドキしてるなんて
百戦錬磨のサードマンのすることじゃないだろ?
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