のどあめ









「ゴホッ・・・ッ・・・・」

「風邪?」



激しく咳き込みながら、顔を真っ赤にして頷く。



「大丈夫か?」

「うん、ありがと。」



いつもより若干掠れた声。

その声に、最中の様子を思い浮かべ、ほんの少し顔がにやける。



「声、エッチしてる時みたいだな。」

「煩いっ!!!」



急に大声を出し、また咳き込む。



「ほら、急に声荒げるから・・・」

「お前のせいだろ!!」

「まぁまぁ。あ、確か・・・」



ポケットの中をごそごそと漁る。

確か今朝郁美にもらったのどあめがあったはず。



「七原、のどあめいる?」

「・・いる。」

「どーぞ。」



オーソドックスなかりん味ののどあめ。

七原は手に取ると、口に放り込んだ。



「美味い?」

「ありがと、美味しい。でも、こんなの持ってるなんて女の子みたいだな。」



七原がふっと笑う。



「失礼だなぁ。郁美に貰ったんですぅ。」

「郁美ちゃんにお礼言っといてよ。」

「了解。」



のどあめは2つあったので、もう1つを口に入れる。

甘味と、のどあめ独特の味が口の中で混ざり合った。



「あっ・・・・」



残念そうなその顔から、あめを割ってしまったのだと容易に推測できた。



「あめ、もう1ついる?」

「あるの?」



目を輝かせる七原に口付け、唾液と一緒にあめを移す。

そのまま暫く七原の口腔を堪能し、口を放した。



「な、なっ・・・・・」

「ご馳走様。」

「馬鹿ーっ!!!!」

「馬鹿はないでしょ、馬鹿は。せっかくあめあげたのに・・・。」

「いらない!!!」

「欲しいって言ったの、七原じゃん。」

「言ってない!!!」

「ほら、また咳き込むぞ?」










そんな冬の1日。