いくら計算しようとしても
完璧に正しい数値なんて出させてくれない
それはまるで君のようだ
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『宿題終わらない〜っ。助けてーっ(泣』
七原からのそんなメールがあって、今俺は七原の赤ペン先生をしている。
「この辺は全部この公式で解けるから。下行って飲み物とってくるけど、ちゃんとやっとけよ?」
「らじゃー・・」
七原はかなり数学が苦手だ。
他の教科は人並み以上にできるのに。
あと、実は不真面目である。
ホントに真面目なやつならとっくに宿題なんて終わらせてるだろ?
でも、俺を頼ってくれる七原を愛しいと思う自分がいる。
「平方根ってなんなんだよ〜・・わかんねぇ・・・・・・」
部屋に戻ると、七原は今にも魂が出て行きそうな状態になっていた。
それでも一応真面目に問題には取り組んでいたらしい。
「ただいま、ハニーv」
「飲み物ちょーだい。きゅーけーっ。」
「どーぞ。」
「やったー」
よく冷えたジュースを手渡してやると先ほどまでとは打って変わって元気になる。
こういう単純なところがたまらなく愛しい。
「飲み終わったら続きやるぞ?」
「えー・・おにー・・」
「宿題終わらなくて先生に怒られたいか?」
「それはやだ・・・」
「ならさっさとおわらそうぜ。」
七原はベッドに横たわって天井を仰いだ。
「なぁ・・・三村?」
「んー?」
「三村はさ・・・・俺の何が好き?」
「はぁ?」
「何で俺なの?可愛い女の子じゃなくてどーして男の俺を選んだわけ?」
七原は単純でわかりやすい反面、時々複雑になる。
矛盾してるけど、実際そうだ。
わかりやすいのに、わかりやすそうなのに、全然つかめなくて。
その距離がもどかしいと思う。
「七原が七原だから、俺は七原を選んだんだ。」
「何、それ?」
「高等なサードマンの考えることが平方根もわからない七原君に理解できるかなー?」
「うるさい。」
「だから、俺はお前が”七原秋也”だからお前を選んだって言ってんの。意味分かる?ドゥーユーアンダースタン?」
目を瞑って、必至に俺の言葉を理解しようとしてくれる。
俺だけのことを考える君が愛しい。
「・・七原はなんで俺を選んでくれたわけ?」
「俺?俺は・・・・三村の隣が1番居心地がいいから・・かなぁ・・」
七原から紡がれる詩的な告白に言葉を失った。
多分、かなり情けない顔してんな、今。
「それで、俺の場所はー・・って考えたらやっぱり三村の隣が1番しっくりくるしな。」
「俺ってば愛されてるっvv」
「うるさい、ちょーしのんな!!宿題やるんだろ?」
「そーでした。あ、終わったらお礼ちょーだい?」
「お礼?」
「そ、お礼。」
涙が出そうな君の愛の告白に
俺からは言葉にできない愛を
キスに変えて
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